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2009年1月 4日アーカイブ

クレジットスコアー

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第15.1回目

皆様、明けましておめでとうございます。良いお正月を過ごされたと思います。
なにわのこにたんです。年末から、景気に連動するように寒さが厳しくなりました。
あなた、ご自身の『クレジットスコアー』をご存知ですか?え、何それ?
知ってなくても大丈夫。アメリカで個人の信用の度合いを示す基準です。
今日は、サブプライムローンを実際に売った男の告白ですよ。

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モアイリチャード・ビトナー/ダイヤモンド社
『サブプライムを売った男の告白』
ISBN978-4-478-00589-7

リチャードはGEキャピタルやGMAC(ご存知GMの金融子会社)で
住宅金融の仕事に9年携わった。その後、サブプライムローン会社を設立して、2005年に事業から撤退した経験を持っているサブプライムローンのまさに生き字引のような人じゃ。

GEキャピタルでは信用度の高い借り手を商売にしていたが、
GMACでのニッチ金融の世界に入り、ファニーメイやフレディマックの
貸し出しガイドラインにあわないローンを購入していた。
しかし、初めてサブプライムローンについて知ったとき、
こんなローンを扱うのは道徳感の低い人間か、頭がどうか
している人間だろうと思っていたようなんだ。しかし、彼は・・・。

前書きには、強烈なメッセージが書かれてるよ。

2007年8月に筆を執った時に感じたのは
近代市場、最悪のビジネスの崩壊を
米国が経験しようとしているということだった。

<業界の端から端まで広がる、体系的な問題の結果であること。>

<全米国人の65%が住宅を所有しているせいで、
これまでにないほど多くの人に広範囲の影響を与えた。>

<不動産市場の現在の下落が止まって損益の計算がされたら、
損出額は、何兆ドルにもなるだろう。>

何でそんなに不動産市場が過熱化したのかって?
ブッシュ大統領は、クリントン前大統領のように、在任中に株価をあげることができなかそうじゃ。戦争ばっかりして、おまけにその費用を米国国債を大量に発行し、日本や中国に買わせていたんだから始末におけん。米国自体が借金体質だったわけ。日本の血税もアメリカに行ってしまったのだ。そこで、ブッシュ大統領は名案をおもいついちゃった。アメリカンドリームの一つである住宅を持てることを合言葉に、住宅の建設をどんどん行い不動産価格の上昇をてこに、景気を上昇させていったんだね。購入層も老人やヒスパニック、黒人と、今まで購入できなかった人も購入していった。ただし、信用度(お金を貸すほうから見た)の低い人には、金利は最初は低くてある時期から高くなる、いわゆるアドバルーンローンをどんどん貸していったのです。120日間返済を滞納すると、自宅は競売にかけられて自宅を失うんだよね。貸す時には、不動産市場はますます価値が上昇するから、数年で自宅を売却すれば儲かるよという甘い勧誘もあったそうな。2009年には、サブプライムローンの200万件が不払い、競売になるかもしれないというまことしやかな予測が出ているそうじゃ。

では、まず、クレジットスコアの勉強をしてみよう。

<クレジットスコアー>
信用力の特典。サブプライムローンの借り手のクレジットスコアーは
500点から620点で、500点未満の消費者は融資を受ける資格が無いとされる。
いくつかの評価項目がある。
(1)過去12ヶ月の住宅歴
(2)米連邦破産法第7章か13章による破産からの年数
(3)抵当流れの履歴
(4)過去24ヶ月のクレジットの状況
(5)最大の借入金比率(LTV)
要するに、期日までにローンを返済しているかとか、
ローン返済の記録がいくつかあるとか、借りる人の
信用(返済できる収入かももちろん評価するよ)を
見るわけだね。怪しそうな人に、ローン会社は
金を貸さないわけじゃな。

プライムローンで貸せない人に金利の高くなる
サブプライムローンを販売して市場を広げていたわけ。
それでももちろん自宅を買えない人もいたそうじゃな。

サブプライムローンの借り手の多くは、
(1)返済が滞る
(2)(信用履歴等の)条件が不足している。
(3)(離婚や事業の失敗、大病等)困難を背負った人生
(4)不運(請求書の支払いを留守にした忘れたとか)
を経験した人だったんだそうだ。

でも、信用度の低い人が、なぜ、クレジットスコアーを
クリアーしたのだろうか、疑問だよね。それは・・・。

ブローカーがレンダーをごまかすために、借り手の
(1)不都合な返済履歴を消した。
(2)他人の良い返済履歴を載せた。
(3)収入を水増しした。
(4)物件評価価格を吊り上げることを画策した。
ようするに、詐欺まがいなことをどんどん行ってしまった。
ブローカーの質が悪いんだよね。
それでも、投資家が儲かるためにどんどんその債券を購入した。
一方、借りた人も不動産価格が上昇しているときは、物件評価額と
ローン残債との差額を上積みして借りられる(エクイティー)という
いわゆる『住宅はATM』効果で生活を謳歌していた。しかし、不動産価格が
下落した時には、恐ろしいことが待っていたのさ。負債のみが大きくのしかかり
個人が倒産してしまった。まさに、天国と地獄だよね。

実際の住宅ローン業界の購入のプロセスは、(食物連鎖をイメージしているよ)
(1)借り手(家を購入する人)は仲介業者(ブローカー)か
   レンダーに申し込む。
(2)モーゲッジブローカーはレンダーを利用して住宅ローンを探す。
(3)レンダーは住宅ローンを貸す。

ここまでならば、信用度の低い借り手だけで市場規模は大きくならなかった。
しかし、これにウオール街のつわものが参加してきた。リーマンブラザーの
登場。これに加え、メリルリンチやベアースターンズも参入。
住宅ローンを債権化し、細切れにして、優良債券(格付けの高い債券)に
紛れこまさせてきて、信用度の低いサブプライムローンを蓑に隠して、
信用度を高くごまかしてしまった。しかも高利回りときている。
格付け会社も、詳細までみずに、高格付けしてしまったし、投資家も
喜んで、高格付け(投資適格債権)で高利回りときて、買い捲って
しまった。

なぜ、食物連鎖と呼んだのか良く分かるよね。弱肉強食。でも、結局は、
金融工学の手法で、世界のGDPの10倍も大きい実態のない投資市場に
膨れ上がってしまった。(もちろん、サブプライムローンはその一つで
あるだけで、他に、色々な債券をつくっていった。怖いCDSも次に待っている。)不動産市況が崩れると
当然、返済できない借り手が自宅を追い払われてしまったのじゃ。
気の毒だけど、もともと、買えない人が買ってしまったという悲劇とも
とらえることができるのじゃ。

住宅市場の好況により、中国産業も潤っていた。受注が急減して、
今は、巷に失業者の群れ。この通り。

不動産市場も株式市場も商品市場も、気がつくと泡沫(正のバブル)は
結局、むなしく、また、過去と同じようにはじけ飛んでいった。

今日は、時々、日本昔話風の文体も混ぜてみたが、どうじゃったかな?

怖い話じゃの~。

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ウサギ2ここまで読んでくれた方には、感謝いたします。
メタポーチが新しい家の借り換えをしたい
といっています。お前は、クレジットスコアーが1(ワン)だから犬小屋で満足しなさい。ウサギ小屋よりいいだろ???
4回吠えても、1111点にはならないってさ。
ワンがフル。

今年も風邪やインフルエンザがはやっていますので、
お体をご自愛ください。(なにわのこにたん

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