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2008年11月14日アーカイブ

小さな箱

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第11.1回目

秋なのに急に冬の寒い日々が続きます。体調は万全ですか?なにわのこにたんです。『あなたには問題がある。小さな箱に入ってしまっている。』 え、何言ってのこにたん。今回紹介する本の第二章冒頭の文章ですよ。

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アービンジャーインスティチュート
『自分の小さな箱から脱出する方法』
ISBN4-479-79177-9

藤井孝一
ビジネス選書&サマリー
http://www.bbook.jp/backnumber/2006/11/post_207.html

作用・反作用の法則って覚えてますか?小学生か中学生の頃に習ったあれですよ。それって物理の法則ですよね。これ、人間にもあてはまるのを知ってますか?何、相手を叩いたら、相手が叩き返すことかいって。違いますよ。ボクシングじゃあるまいし。子供とか部下とか同僚に、高圧的に注意したり、怒ったり、諭したり、説得しようとする時、口論になったり、口答えされたり、全く理屈に合わない事を言い返えされた経験はありませんか?みなさん、こんな抵抗に会ったことがありますよね?言葉で相手を押さえつけようとすると、相手が、逆に、言葉で返してくる、一種の反作用です。相手に注意する時は、怒っては駄目で、叱ることだと小山 昇氏(『脱線』を見てください)言ってます。また、斉藤一人さんは人に注意する時、『そうなんだよね。君のいうことはわかるんだよね。』と切り出して話すことと言ってます。(【そうだよね】と【わかる】をとって、SW話術と覚えてください。対極は、【はなから】【わからない】HW話術があります。)まず心の壁をきりくずしてから、素直に聞ける状態にして説明すると、相手は素直に、同じ立場・目線で話しているのだと思って、話を聞き始めます。『でも、こんな考え方もあるけで、君はどう思う?』というと、聞き手が思っていた反対の意見でも受け入れてしまうことさえあります。これ、結構うまくいきますよ。どうしても相手を変えたければ、自分をまず変えれば相手が変わるといいます。不思議ですよね。ティーチングでないコーチングと言う手法は、まさに、人の話を90%聞いて質問を繰り返し、相手に回答を導き出すという方法です。どの方法も、人の作用・反作用を避けて、コミュニケーション(お話をすること)する方法だと思います。そうですよね。人に悩みを黙って聞いてもらうとすっきりしますよね。結論なんかいりません。

今回紹介する本は、職場、プライベートを問わず、人間関係にまつわる様々なトラブルを、一挙に解決するほどの可能性を秘めた書籍です。

本の著者は、アメリカ・ユタ州に拠点を置く研究所です。
ビジネス、法律、経済、哲学、教育、心理学の専門家が、組織内にある
人間関係の諸問題を解決することによって、収益性をたかめようという
独自のマネージメント研修やコンサルティング業務を行っています。
アービンジャーとは先駆けの意味です。
http://www.arbinger.com


本のメッセージは、実にシンプルです。
『人を助けたいという気持ちを裏切らないこと』
『自分に問題がないか目を向けること』
素直になるだけですよ。これにより、あらゆる人間関係が修復できます。

自分を偽る状態を、哲学者は『自己欺瞞』と呼びます。
自己欺瞞におちいると、自分を正当化するために、
必要以上に他人を悪く考えるようになります。
これを『箱の中に入っている』といいます。
優秀な人ほど、この箱の中に入りやすくなるようです。
人が無能におもえたり、物を取り扱うような態度になりがちです。

本書では職場の人間関係・夫婦・親子の関係の具体例をあげ
ていて、何が問題なのかを深く掘り下げているので参考になります。
箱に入っていると、一緒にいる人のことでも、他人や、時には
物のように取り扱っている場合があるそうです。
人が悪く、自分は正しいと正当化している時がありますよね。
例えば、会社における職場では、目的は利益を上げることですよね。
家庭では、幸せな生活をすることが目的ではないでしょうか?
目的と違ったことで言い争い、不快感、疑心暗鬼に陥っていませんか?
『あいつがいるから、この仕事がうまくいかないんだ。』
『子供は、悪いことをするものだ。厳しくしつけなくてはいけない。
だから怒らなくてはいけない。』
その通りだよと言っている人は、既に、箱に入っているのかもしれません。
あなたも、小さな箱に入っていませんか?


『産科医イグナス・ゼンメルヴァイスのお話』
1800年代半ばにヨーロッパで活躍した産科医。ウイーン総合病院に勤務。
産科病棟の女性患者の死亡率が一割にのぼっていた。
産褥熱(さんじょくねつ)と呼ばれ、(夜?)蛭に血をすわせたり、風通しを
良くしたりしたが、効果があらわれなかった。しかし、かれが転勤で他の病院に
移ってから、また、同じ病院に帰ったときに、死亡率が下がっていた。
彼が死体を使った研究に多くを他の医者より費やしていたことが理由で、意図せずに細菌を患者にばらまいていたのだ。犯人は、彼、医者自身であることが分かり、妊婦を診る前に、塩素と石灰で徹底的に手を洗うことを徹底することで、死亡率が1%まで下がった。
これと同じことを職場や家庭で知らず知らずのうちに、普通の人は行っている。でも、自分に問題があるなど、さらさら思っていない。

以下は、この本のキーとなるところの抜粋です。

<自分への裏切り>
1.自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ。
2.いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点からみるようになる。
3.周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる。
4.したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る。
5.時が経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる。
6.自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中にいれてしまう。
7.箱の中にいることによって、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いにはこの中にいる口実を与え合う。

<箱の中にいる時に、しても無駄なこと>
1.相手を変えようとすること
2.相手と全力で張り合うこと
3.その状況から離れること
4.コミュニケーションを取ろうとすること
5.新しいテクニックを使おうとすること
6.自分の行動を変えようとすること

<知っておくべきこと>
1.自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく
2.箱の中にいると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。
3.自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外にでているか否かにかかっている。
4.他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外にでることができる。

<知ったことに則して生きること>
1.完璧であろうと思うな。よりよくなろうと思え。
2.すでにそのことを知っている人以外には、箱などの言葉を使うな。自分自身の生活に、この原則を活かせ。
3.他の人々の箱を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。
4.箱の中にはいっているといって他人を責めるな。自分自身が箱の外に留まるようにしろ。
5.自分が箱の中にいることがわかっても、あきらめるな。努力を続けろ。
6.自分が箱の中にいた場合、箱の中にいたということを否定するな。謝ったうえで、更に前に進め。これから先、もっと他の人の役に立つよう努力をしろ。
7.他の人がまちがったことをしているという点に着目するのではなく、どのような正しいことをすれば、その人に手を貸せるかを、よく考えろ。
8.他の人々が手をかしてくれるかどうかを気に病むのはやめろ。
自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ。

ちょっと長かったですが、いかがでしたか?
今、人間関係に悩んでいる方にはお勧めの一冊です。
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びっくり箱ここまで読んでくれた方には、感謝いたします。
メタポーチがびっくり箱を持ってきたよ。門前の犬、習わぬ箱を運ぶ。その箱じゃないんだけど。
なにわのこにたん

 

 

 

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